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新・保護者^2 その5

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 抜き足、差し足、忍び足。
 無音を保ち、気配すらも断ちきって、慎重に脚を進める。目指すはバスルーム横の洗濯カゴ。ついさっきまでカーテン一枚の向こうでユキがあられもなくぺたーんでろりーんな肢体を余すところなくさらけ出しての生脱衣ショーを繰り広げていた場所。
 目的のブツの在り処は既に入念にリサーチ済み。最小限の動作でほんのりと残る少女特有の甘い匂いのなかから、程なくして目標を補足。
「…………」
 脱いだ服の上にくるんと丸められた、飾り気のないま白いこっとんの布地。肌になじむ手触りとお手ごろな価格が評判の――ぬぎたてぱんつ。
 熱くたぎる決意とともに、ぐっと握り締めたそれを、エプロンのぽっけに丸めて突っ込む。
「よし……!!」
 みっしょんこんぷりーと。実に自然な流れで手に入れた手際に、思わず嬉しさがこみ上げてぐっと拳を握る。安い言葉では語れないほどの感動が、静かに胸のうちを満たしてゆくのだ。ああ、まさに至福。
「そんなやり遂げた女の顔してもごまかされませんようっ!!」
 どばんっとバスルームの扉を押し開けて仁王立ちのユキ登場。いちおーバスタオルとか巻いてはいるけど実に凹凸のない水中での抵抗を極力排したぼでぃーらいんのおかげでいつタオルが落っこちるのかはらはらしちゃうくらい。うんいいよいいいよもっとやって!! おねーさん大歓迎だ!!
「ですからおねーさん、洗濯とかおふろのたびにそーゆーことするのやめてくださいようっ!? やめろって言ってもやめられないのかもしれませんけど、依存症に打ち勝つにはまず自分の現状を認めるっていう第一歩が大事だと思いますっ」
 わーおいきなり酷い言われようだね私ってば。
「いいじゃない、売ったりしてないよ?」
「当たり前ですようーっ!? し、してないですね!? ほんとうにしてませんよねっ!? し、してたらもうおねーさんとは一生絶交ですからねっ!!」
「いいじゃない後でちゃんと返してるんだから。二時間後ぐらいに」
「ぐ、ぐたいてきな時間はなんか生々しいので伏せてくださいようっ!? だ、だからなおさら困るんですっ!! ちゃんと綺麗に洗われてアイロンかけてなんだか普段とは違う妙にふろーらるな香りまでついてる上にお店の人も顔負けなくらいに綺麗にたたんで返されたほうがかえって気になりますからっ!! その、おねーさんはいったい、その、それでなにをなさってるんですかっ!?」
「そりゃあもう、皺の寄り具合からステッチのほつれまで微に入り細に渡って神の手のごとく徹底して詳細なスケッチをですね。あ、これ毎日更新してるブログ。げんえきじょしちうがくせいのぱんつを克明かつスリリングにアップし続ける日記(アダルトカテゴリ)」
「っだぁああああーーーーーーーーーーっ!? な、なにをやっちゃってくれやがりますかこのひとはーっ!?」
「大丈夫だよ。会員制だしそもそも見てる人みんなぱんつのほうにしか興味ないから。むしろ穿いてる子が写っちゃうと叩かれるくらい」
「そのほうがよっぽど問題ですようっ!? っていいますかなんですかその致命的に病的なこみゅにてぃーはっ!? おねーさんそんなのの一員なんですかっ!?」
 すげえ今私ってば両親の仇の悪の組織の幹部みたいな感じに睨まれたっ!!
「と、とにかく!! いくらおねーさんでもやっていいことと悪いことがありますようっ!?」
「見る?」
「見ませんようっ!!!! 今の話のどこをどーしたらそんな結論になりますかっ!? ぜ、ぜっっっったいに嫌ですからねっ!?」
「ん。ナイスツンデレ」
「要素皆無ですようっ!? あと実際ツンデレって広まり出してから妙に勘違いするひとが増えちゃって困ってる女の子って多いんですようっ!? おねーさんも社会的な影響力をかんがえて自重してくださいようっ!!」
 いやまあこんなサイトに影響力あるとも思えませんが。ははは。
 ……ええいうるさいやい。
「ま、あれだね」
「はい?」
「生命活動って大変だよねぇ」
「うぁーーーんっっ!! ぐ、ぐれてやるーっ!!! 盗んだバイクで走り出すじゅうごのよるーっ!! 支配からのそつぎょうをーっ!!」
「古いなまた。てーか良く知ってるねぇ去年までランドセル背負ってたのに」

 その後。
 タオル一枚で玄関から飛び出していったユキがいい加減顔なじみになった近所の交番のおまわりさんに補導されて、私含め6時間ばかりこってりとお説教をくらいました。

 (続く。)

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