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つきのわ

 いつも日記書くときタイトルがどうしたもんか迷いますのでもう適当に。

 知切光蔵さんの「天狗の研究」を読んでおります。昭和50年ころに書かれた本の再版……というか論文の書籍化のようななのですが、とにかく天狗というものに焦点を絞り、天狗の詫び証文の解読や天狗の頭蓋骨の鑑定とかにも触れていて非常に面白い。
 人に荒されることのない深山に棲みながら、人がいる場所に顔を出さずにはいられず、時に慢心し時に足元をすくわれ、信じ切っている人間の前には現れず、会いたいという者の前には痕跡すら見せず、悪さをしようとした者にはきつい警告を与えるという天邪鬼かつツンデレな態度。
 作中で多くの伝承や古老の伝える、天狗達とのこの距離感がまさに、私の抱いてるイメージにピッタリでして。
 この本が書かれたのは天狗がまさに幻想へと消えようとしている時代なのだなあというのが、文面のあちこちから伝わります。作者さんは戦後日本中の山や、もう人も訪れる事もなくなった古寺に泊まり込んで、何度も天狗に出会ってきたそうなのですが、その当時ですらもう天狗達は現代の文明に押されてあちこちの山から姿を消しつつあったという事が繰り返し語られています。
 また、冒頭では作者さんが協力したTV番組の話があり、天狗の実在を子供に証明するためは絵や文章では駄目で、ミイラや骨、爪を集めて真摯に検証する必要があると語る番組製作者さんの話で、実際にスタジオに天狗の関連物が集められることになるのですが、はたして2013年の現在、こんな番組が放送される事もなければ、そもそも公的な場で天狗が実在するのかなんて、お笑いのテイストでなければまず論じられることもないかと思います。
 そもそも、小学生くらいの子供が天狗ってものをどこまで認知しているのかも怪しいものではないかと。

 そんな中で非常に詳しい資料や取材をもとに語られる天狗の歴史、とても為になる一冊です。立川のオリオン書房で見つけて、あまりにストレートなタイトルに即買いだったのですが、本当に良い買いものでした。

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