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寄生獣二次創作ネタ

 思いついたはいいものの形にできる気がしなかったのでメモ書きとして吐き出す。らくがくうpみたいなノリ。
 しかしもう20年も昔の作品なのか……





・あの当時パラサイトとなった寄生獣達の一人、変わり者であった「浅川博史」の話。
・寄生された博史は当時オタクの中学生。享年15歳。
・現在は彼に寄生したパラサイトが戸籍上34歳の「浅川博史」、市役所勤務の公務員として生きている。
・「浅川博史」は部屋にあったアニメ、漫画などから言葉を覚えた。
・彼の両親は博史が寄生された日の前日から一週間の海外旅行で家を離れており、帰宅まで十分に時間があったため、「浅川博史」はそれまでにある程度の常識を身に付けた。
・学習媒体がアニメ、マンガ、ラジオの録音テープであったためか、「浅川博史」は空想や創作物に興味を持った。通常のパラサイトよりも幾分、非現実的な思考に身を浸すことが多い個性を持つ。
・また、身体的特徴として中学生の少年に寄生したため、寄生範囲が成人の個体に比べてやや広い事が挙げられる。右肩にまで広がっている。腕はそのままなので事実上ほとんど意味を持たないが。
・肉体操作は並み。ボディ自体はインドアのオタク少年がそのまま青年になったので、寄生体の中では運動はかなり鈍い方。
・両親が帰宅の日、「浅川博史」は彼らに会えば自分の正体に気付かれると判断し、待ち伏せて喰い殺している。運良く殺害現場が自宅ではなかったため事故扱いとなった。


・「浅川博史」は「田宮良子」(後の「田村玲子」)と知り合いだった。
・正確に言えば、「浅川博史」は彼女と敵対しない珍しいパラサイトであったため、ごく初期に彼女と会話し、いくらかの交流を持っている。
・「田宮良子」が高い知能を持つという特別な個性を持ち、ボディに寄生してからのごく短時間で学習を終え、教師として振舞う事が可能であったという事実は「浅川博史」の人格形成に大きな影響を与えた。
・特に、パラサイトとしては極めて早い時期に各個体の個性や特徴が異なる事を理解していた。
・東福山市役所での攻防を経て、世に潜むパラサイト達は行動をより一層自制させ、その正体を世間に埋没させた。
・あるいは、人間よりもうまく人間になり済ましている奴等もいるかもしれない。
・パラサイトと呼ばれる生物ががどこから来てどこへ行くのか、「浅川博史」はここ10年近くそれに思いを巡らせていた。
・世間的にはもう結婚していないとおかしい歳だが、オタク趣味を建前に独身である。
・「浅川博史」が問題視しているのは、仮に結婚したとして産まれてくる子供は自分の子孫ではないということだ。
・「浅川博史」は「田村玲子(田宮良子)」と「A」の繁殖結果を聞いている。
・パラサイトである自分にも、生存したいという本能がある。しかし交配しても種を遺せないのであればいったい、自分は何のためにいるのか。
・そもそも自分達は何処から来たのか。あの日、自分たちが最初に覚えている記憶は、脳を奪わねばと言う強い焦り。
・そして寄生した直後には「この種を喰い殺せ」と命令が来た。
・この命令は、どうやら人間には聞こえていないらしい。
・子孫を残すため、自分を半分に分けて、他のボディを乗っ取ろうとしてみたが、半分だけではうまくいかず、そもそも首を切り落とした身体に乗り移る事は非常に難しいものだった。
・同じ性別、年代であっても、人間には個人差があり、十年も同じ身体を操作し続けた寄生生物はそのボディの操作に習熟し(言い換えれば慣れてしまい)、他のボディを動かしづらくなる事が判明した。


・あの日、パラサイトが初めて地上に現れて以来、新たにパラサイトの発生は観測されていない。
・あれはどれほどの範囲の現象だったのか。地球という生物圏を確認する限り、自分に類する生命体は存在していない。宇宙からとは思い難い。
・実は日本のある地域にだけの存在だったのか、全世界的なものだったのか。世界中で確認されたという報告もあるが、当時の記録はあまり残っておらず、海外のゴシップサイトに一部そんな噂があったが、定かではないレベル。
・ネットも何もない時代で、さらにもし政府などが積極的に対応していたなら、その記録は個人が調べて分かるような範囲にないかもしれないと「浅川博史」は結論している。
・パラサイトは仲間を識別する「信号」を発するので、実際に海外で確認してみれば分かるかもしれないが、少なくとも「浅川博史」は国外へ出ていない。
・それに、人間の中にも微弱、少数ながら信号を発するものがいること。今では自分の信号を信じられないくらいに弱めてしまっているパラサイト、人間よりも人間らしく振舞うパラサイトも増え、同種が分からなくなっている。


・いつからか、ネットを中心に密かな噂が出回っていた。2012年の12月22日。マヤ暦のカレンダーに合わせて、ひっそりと流れたものだ。古い肉体との決別、新たな時代を前にアセンションを訴えるそれは、末世思想のスピリチュアルのようなものであったが、その実パラサイトたちへの呼びかけだった。
・それには「田村玲子」との交流で至った「浅川博史」の発想が元となっていた。
・パラサイトはもともと、一つの存在ではなかったのかという疑問である。
・訓練を積んだパラサイトは自分の身体を千切り、別々に行動することができる。
・考える筋肉である寄生部分はある程度の大きさがあれば独立して自分で考え、行動できる。しかし分離した部分はやっぱり本来の半分でしかなく、あまり細かくなりすぎると自律もできなくなる。
・行動を律するためにはバラバラに分かれる時に事前に「合言葉」となる指示を決めておく必要があった。「元に戻れ」というように。
・「浅川博史」はそれをさらに考え進め、自分達はかつての思想や思考能力を失った、大きな大きな「何か」の切れ端のように小さな一部ではないのだろうかと言う推論をしたのだ。
・ボディを乗っ取る、分裂させた一部を他の身体に埋め込むなど、自分の子孫を残そうとする実験の中で、「浅川博史」は気付く。これまで自然に一個の個体だと思いこんでいた自分も、もしかしたら大きな自分の一部でしかないのではないか。だからこそ以前の事を、疑問に思う事を答えられないのではないかと。
・そして、バラバラになった自分達には命令が与えられたのだ。すなわち、「人間を脳を乗っ取れ」「この種を喰い殺せ」と。


・「浅川博史」の提案は、はじめ荒唐無稽なものとして受け止められたが、けれど徐々にパラサイトたちの中にも同じことを考えるものが出始めた。
・彼らの中に東福山市の「後藤」を知っていた者たちがいた事。
・そして、20年前、かくしゃくとした初老の老人に寄生したパラサイトが、身体の老化に伴って死んだことが契機となった。
・つまり、現存するパラサイトたちは皆20歳で、寄生した身体は20年歳を取っている。
・寄生が起きて20年。あれから新たなパラサイトが生まれることはなく、彼等は数を減らずばかりだった。
・彼らのボディの中には既に老いを迎えている者たちがいる。パラサイトは人間を健康に保つ術は理解していたが、真の意味での老衰にはまったく為す術を持たなかった。
・おそらくあと50年もすれば、大半のパラサイトたちがボディの老衰によって死ぬのだ。
・パラサイトは目的を失っていた。これまでどおり、人間を食っていればいいというものもいたが、20年を経て彼等はあまりにも人間としてふるまうことに馴染み過ぎ、身に付いた知識が「命令」に従う事の邪魔をした。
・あの最初の「この種を喰い殺せ」以来、命令は一度もない。パラサイトたちが多少人間を喰ったところで、一秒あたりにその数十倍に及ぶ数の人間が生まれてきている。
・彼等の多くは慎重で狡猾で理性的だった。ただ獣のように構わず人を喰い殺していればいいというような、短絡的な個体は、人間達に狩られるか、危険を招くと判断された同族の手によって殺された。大きく数を減らしていたのだ。
・彼らが選んだ結論は、回帰であった。強力な統制信号を出せるパラサイトの元に集まって、その指揮下に入り、人間の身体を捨てて一つの大きな生命体に戻ろうとする試みだ。
・2012年12月22日。示し合わせたその時間、日本のとある海岸に多くのパラサイトが現れ、大きなひとつの生命体となって深い海原へ消えた。


・しかし「浅川博史」はそれには加わらず、遠くからずっと彼らを見ているだけだった。恐らくそこには本当の答えは無いだろうと思っていたから。
・仮に、彼の仮説が正しかったとして。多くのパラサイトが人間との戦いや同士討ち、老衰で失われた今、もし地球上のパラサイトが全て一か所に集まって寄り集まったとしても、かつてのような存在に戻れるとは思えなかったからだ。


・我々はとても弱い。それのみでは生きられない生命体だ。
・だから、あまりいじめるな。
・地球上の誰かが、ふと思った。

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