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最近読んだ東方の同人誌

 現在も積読消化中ですが、いったんまとめておきます。

Xclaim!「星は独力で光れない」
 旧作を丁寧に再現しつつ、Win版へ至る直前までの魔理沙の成長物語と言う位置づけでしょうか。太陽の傍で輝く星という霊夢←魔理沙←アリスの構図がお話の多重構造を表現しつつ、揺れ動く魔理沙とそれを見守る先達たちの心情が流麗に描かれています。魔法に対するしっかりとした理論がそれを裏打ちしていて、解釈の妙が素晴らしい。アリス本を書いた身としてはとても参考になります。
 作中でははっきり触れられてませんが、おそらく旧作アリスは天上に輝く星に憧れて、Win版以降は七色(=虹)を名乗るようになったのではないかなあと想像をかきたてられます。実に心憎いですね。

Red tail cat「Viraja Aupamya」
 合同本です。全編通じて非常にハイクオリティかつ多様性に富んだ作風がぎっしり詰まった一冊。どれも実に素晴らしく甲乙つけがたいんですが、「昭和20年のナイトフォール」「名庭園」「Ret;romancer」あたりが特に印象に残りました。「昭和20年のナイトフォール」はとにかく書簡体と文体の妙に尽きます。真似しようとしても生半なことじゃできません。「名庭園」は妖夢の本職である庭師の側面をはっきり描きだした(個人的には)あまり見ない方向性と、なによりラストのオチで冒頭に繋がるネタばらしの瞬間の爽快さがたまりません。「Ret;romancer」は教授とちゆりの生きるはるか未来の時代を、未来ガジェットたっぷりでこれまた違和感なく描き、さらに壮観な京都の街並みと賑々しい幻想の交差の瞬間の描写が紙面から脳の中に流れ込んでくるよう。どれも最高であります。

御祭長屋「此処はきっと優しい詩」
 通称死に様合同……でよかったかな。登場人物の死をテーマにした作品集。「空振り;らびっと」と「ほんの一日」がお気に入りです。一番「死」というものを、登場人物の欠如という記号的なものではなく、そこに至る過程(衰えや病、老いといった死の気配の変遷)を含めて妥協なく向かっているなと感じたのが「空振り;らびっと」で、話の転機となる部分を含めて凄いなと感服するばかりであります。

ロマンチックメロウ「遊星はぐるま」
 魔理沙が魔法使いの在り方について悩んだり、魔法が使えなくなってしまって迷ったり、誰かに相談しに行ったりするお話。最終的に魔理霖だったのがちょっと意表を突かれた感じで、でも彼女の原点を考えれば至極当然のことでもあるのだなと納得させられました。

チタンあるみナイド「霧の湖に河童は潜む」
 これまで買ってなかったことを後悔した一冊。紅魔館と妖怪の山の対立を背景に、領地内である湖に侵入してきた河童と紅魔館勢力の迎撃戦。割と容赦なく現代・近未来兵器っぽいものが登場し、小悪魔三姉妹や紅魔館の過去など独自設定もぽんぽんと出てきていますが、それを違和感なく読めてしまうのは作者さんの筆力の高さゆえでしょう。キャラ同士の掛け合いも小気味よく、いつの間にか引き込まれ、気付けば夢中になって読了してしまいました。東方でちょっと目を向けなかった海戦(正確には湖沼戦ですが)の描写は新鮮かつ面白い試みだと思います。
 敢えて難を言えば、後半に1ページ近くにわたる無視しがたい乱丁があるのがとても残念ですな。


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