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【東方】袖振り合うも化生の縁・4

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 命蓮寺。 千年の封印から目覚めたという化主のもと、人妖が等しく集う妖怪寺。
 人里にもほど近い立地も相まって、どこかの神社よりはずっと繁盛していると評判である。
 塀の上に差し掛かる樹の枝上に身を潜め、橙はじっとその様子を窺う。
(むー……)
 この寺の化主、聖白蓮は積極的に助けを求める妖怪達を迎え入れ、仏門の教えを説いているという。確かに境内の掃除に拝観者の案内と、主だった面々の大半は妖怪のようだった。
 妖獣、幽霊、護法と、種族も様々な妖怪達が、一つところで共同生活を営んでいるというのも驚きだが、彼女達はみな人間に恐れられることなく受け入れられている様子だった。
 妖怪寺なんてどうせ荒れ放題だろうと決めつけていた橙だが、実物を見てさすがに考えを改めざるを得ない。
 隙を見てこっそり忍びこめばという甘い考えは捨てねばならないだろう。
「……例の狸って、どこにいるんだろ」
 じっと目を凝らすが、それらしい相手は見つからない。橙のところにまで噂の聞こえてくるほどの大妖怪なのだ。大きな顔をして居座っているのだろうと思っていたのだが、これも当てが外れたらしい。
 焦れた橙が場所を変えようと、隣の枝を踏もうとしたとき。
「――こんなところで何をしている」
「にゃ!?」
 突然に背後に現れた聞き覚えのある声に、橙はびくりと竦み上がる。
 振り向いた先には、豊かな九尾を広げ、不機嫌そうに鼻に皺を寄せた藍の姿があった。

 (続)




 だいたい20分ぐらいの一発書き。

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