スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【東方】袖振り合うも化生の縁

 ▼

 ――もう限界だ。
 そもそも、主の満足のいくような働きのできない未熟者だなんてことは、一番自分自身が良く分かっているのだ。人の姿を取れるようになってまだ百年も経っていないのだから、尻尾も生え揃わない子供だって馬鹿にされても仕方がない。自分一人じゃまともな式も打てないし、人を化かすのだって失敗も多い。
 でも、だからって。
 藍様の役に立ちたいって気持ちは、ちゃんとある。

 草むらを蹴散らすように足を振り上げて、庭に転がっていた桶を蹴飛ばした。苔の生していた桶の裏側に潜んでいた虫達が、突然の日の光に驚いて、あっという間に逃げ出してゆく。
 思っていたより桶は重くて、蹴飛ばした爪先がずきずきと痛み、鼻の奥がつんとなる。せっかく堪えていた涙が、また溢れそうになって――橙はぐしぐしと服の袖で顔を擦った。
「…………」
 おなかまでが情けなくきゅるるとひもじそうな音を立てる。
 そう言えばお昼ご飯も食べていなかったことを思い出して、怒りも露わにぴんと立っていた二股の尻尾が、へにゃりと力を失いぱたりと地面に倒れ込んだ。
「はぁ……」
 今日、何十回目かになる、溜息。
 傾きかけた夕陽の下で、橙は途方に暮れていた。


 (続)




 1日に20行くらい書けないってことはないはずでしょうと、淡々と華仙ちゃん説教されたのでちょっと頑張る。


コメント

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL

http://oruhazaka.blog28.fc2.com/tb.php/1596-dfa6b852
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。